そして、妙子のそう云うような傾向は、誰か彼女に特定の感化を及ぼす人間が蔭にいることを、暗示しているように思えたが、そう気が付くと、板倉のあの冗談の云い方や、観察の仕方や、その他の言語動作の上の品の悪さが、彼女のそれと一脈通じるかの如く見えて来るのであった。
だが一方から考えると、妙子が四人の姉妹達の中で一人そう云う変り種になったことについては、尤もな理由もあるので、当人を責めるのは無理なところもないではなかった。
なぜかと云って、四人のうちで末っ児の彼女一人だけは、亡き父親の全盛時代の恩恵を、十分には受けていないのであった。