なぜかと云って、四人のうちで末っ児の彼女一人だけは、亡き父親の全盛時代の恩恵を、十分には受けていないのであった。
姉妹達の母親は、妙子が漸く小学校へ上った頃亡くなったので、彼女はその人の面影について、朧ろげな記憶しか持っていない。
そして父親と云う人は、派手好みの豪奢な人であったから、娘達にもあらゆる贅沢をさせてくれたらしいのだけれども、彼女は自分がどれだけのことをして貰ったか、身に沁みて覚えていることはないと云ってもよいくらいである。
なぜかと云って、四人のうちで末っ児の彼女一人だけは、亡き父親の全盛時代の恩恵を、十分には受けていないのであった。
姉妹達の母親は、妙子が漸く小学校へ上った頃亡くなったので、彼女はその人の面影について、朧ろげな記憶しか持っていない。
そして父親と云う人は、派手好みの豪奢な人であったから、娘達にもあらゆる贅沢をさせてくれたらしいのだけれども、彼女は自分がどれだけのことをして貰ったか、身に沁みて覚えていることはないと云ってもよいくらいである。