そして、そう云えば又、毎月相当の稼ぎ高があるとは云うものの、一方で貯金をしながら一方では洋服に最新の流行を追い、装身具などにも可なりの贅を尽している妙子の遣繰の巧さには、どうしたらああやれるものかと、幸子は毎々感心しているのであったが、(幸子は彼女の頸飾とか指輪の中には、奥畑貴金属店の陳列棚から出た物もあるのではないかと、密かに疑ったこともあった)お金の有難さをしみじみ知っていることに於いても、四人のうちで妙子が出色だったであろう。
その点にかけては、父の全盛期に育った幸子が一番駄目で、妙子には家の没落した時のみじめさが一番骨身にこたえているのであった。
幸子は早晩、この変り種の妹が何か又事件を惹き起しはしまいかと思うと、自分達がそれに捲き込まれるのが辛いので、出来れば彼女を本家へ引き渡してしまう方がよかったが、当人がそれを肯じないのは勿論として、本家も今では引き取ろうと云わないであろうことが予想された。