懐炉を持ってお春が戻って来たのを見ると、妙子は口紅の痕の着いた吸いかけを灰皿の縁に置いて、小褄を取った。
二十八
貞之助は、今月は或る会社の整理の仕事が忙しく、二十一日には行けそうもないと云っていたが、当日の朝事務所から電話で、こいさんの「雪」だけでも見たいと思うから、「雪」が始まる少し前に知らせてくれるように幸子に云って来た。
懐炉を持ってお春が戻って来たのを見ると、妙子は口紅の痕の着いた吸いかけを灰皿の縁に置いて、小褄を取った。
二十八
貞之助は、今月は或る会社の整理の仕事が忙しく、二十一日には行けそうもないと云っていたが、当日の朝事務所から電話で、こいさんの「雪」だけでも見たいと思うから、「雪」が始まる少し前に知らせてくれるように幸子に云って来た。