トロはないか、などと云う不心得な質問を発するお客は、決して歓迎されなかった。
そして気に入らないことがあると、恐ろしく山葵を利かして客をあッと跳び上らせたり、ポロポロ涙を零させたりして、ニヤニヤしながら見ているのが癖であった。
取り分け鯛の好きな幸子が、妙子に此処を紹介されてから、忽ちこの鮨に魅了されて常連の一人になったのは当然であるが、実は雪子も、幸子に劣らないくらいこの鮨には誘惑を感じていた。
トロはないか、などと云う不心得な質問を発するお客は、決して歓迎されなかった。
そして気に入らないことがあると、恐ろしく山葵を利かして客をあッと跳び上らせたり、ポロポロ涙を零させたりして、ニヤニヤしながら見ているのが癖であった。
取り分け鯛の好きな幸子が、妙子に此処を紹介されてから、忽ちこの鮨に魅了されて常連の一人になったのは当然であるが、実は雪子も、幸子に劣らないくらいこの鮨には誘惑を感じていた。