そして、貞之助夫婦も、雪子の関西に於ける楽しみの一つがこの鮨にあることを察していて、大概彼女の滞在中に一二度は此処へ誘うのであるが、貞之助はそんな時に、幸子と雪子の席の間に自分の席を占めるようにして、時々、目立たぬように、妻と二人の義妹たちへそっと杯を廻してやるのであった。
「おいしい、とてもおいしい、………」
と、妙子はさっきから溜息をつきつき食べていたが、雪子があたりへ気がねしながら廻って来た杯の方へ身を屈めている向うから、
そして、貞之助夫婦も、雪子の関西に於ける楽しみの一つがこの鮨にあることを察していて、大概彼女の滞在中に一二度は此処へ誘うのであるが、貞之助はそんな時に、幸子と雪子の席の間に自分の席を占めるようにして、時々、目立たぬように、妻と二人の義妹たちへそっと杯を廻してやるのであった。
「おいしい、とてもおいしい、………」
と、妙子はさっきから溜息をつきつき食べていたが、雪子があたりへ気がねしながら廻って来た杯の方へ身を屈めている向うから、