三十一
四月中旬の土曜日曜に、貞之助と三姉妹と悦子の五人は吉例の京都行きをしたが、その帰りの電車の中で悦子が俄に高熱を発した。
尤も悦子は一週間程前から何となく体がしんどいと云っていて、京都でも余り元気がなかったのであるが、その晩帰宅してから測ると四十度近い体温なので、取り敢えず櫛田医師の来診を求めたところ、猩紅熱の疑いがあるから明日なおよく診ましょうと云って帰った。
三十一
四月中旬の土曜日曜に、貞之助と三姉妹と悦子の五人は吉例の京都行きをしたが、その帰りの電車の中で悦子が俄に高熱を発した。
尤も悦子は一週間程前から何となく体がしんどいと云っていて、京都でも余り元気がなかったのであるが、その晩帰宅してから測ると四十度近い体温なので、取り敢えず櫛田医師の来診を求めたところ、猩紅熱の疑いがあるから明日なおよく診ましょうと云って帰った。