「西宮の誰々さあん」、「下関の誰々さあん」などと云うのが飛び出して来て、しまいに「フィリッピンの誰々さあん」と呼ぶので、さすがに歌舞伎座は日本全国どころやない、南洋のお客さんまで集ってるねんなと、感心していると、妙子が俄に、
「ちょっと!
と云って、二人を制しながら聴き耳を立てた。
「西宮の誰々さあん」、「下関の誰々さあん」などと云うのが飛び出して来て、しまいに「フィリッピンの誰々さあん」と呼ぶので、さすがに歌舞伎座は日本全国どころやない、南洋のお客さんまで集ってるねんなと、感心していると、妙子が俄に、
「ちょっと!
と云って、二人を制しながら聴き耳を立てた。