「………けど、話してくれても構めへんねん」
と、云い捨てて階段を降りて行った。
幸子が席に戻った時はもう吃又の幕が開いており、姉は熱心に舞台を見入っていて一と言も物を云わないのが、幸子には都合が好かったが、芝居が跳ねて、人ごみに揉まれながら正面玄関へ吐き出されて行った時に、姉は始めて、
「………けど、話してくれても構めへんねん」
と、云い捨てて階段を降りて行った。
幸子が席に戻った時はもう吃又の幕が開いており、姉は熱心に舞台を見入っていて一と言も物を云わないのが、幸子には都合が好かったが、芝居が跳ねて、人ごみに揉まれながら正面玄関へ吐き出されて行った時に、姉は始めて、