姉は姉妹の中でも一番おっとりしたところがあり、妹たちから「神経が鈍い」と云われているだけに、妙子の急用と云うのが何であるのか、別に聞こうともしないのであったが、それでも厄介な用談を提げて来た末の妹が、回答を待たないで帰ってしまったので、ひそかに胸を撫でおろしているらしいことは、様子にも窺われた。
そして、今日はもう直ぐ帰ると云いながらも、宿屋の座敷で幸子と二人昼食を取ったが、
「こいさんこの頃、啓坊と附き合うてるのんかいな」
姉は姉妹の中でも一番おっとりしたところがあり、妹たちから「神経が鈍い」と云われているだけに、妙子の急用と云うのが何であるのか、別に聞こうともしないのであったが、それでも厄介な用談を提げて来た末の妹が、回答を待たないで帰ってしまったので、ひそかに胸を撫でおろしているらしいことは、様子にも窺われた。
そして、今日はもう直ぐ帰ると云いながらも、宿屋の座敷で幸子と二人昼食を取ったが、
「こいさんこの頃、啓坊と附き合うてるのんかいな」