だから磯貝院長が手術に失敗したことは恕すべしとしても、呻き苦しむ患者を放置して三日間も顧みなかった一事は、怠慢とも、不誠意とも、不親切とも云いようのないことで、患者の親たちが何も知らない農村の老夫婦でなかったならば、或は無事に納まらなかったであろうに、格別の事件にもならずに済んだのは磯貝院長の好運と云わなければならない。
同時に又、板倉がそう云ういかがわしい医師と知らずに、その医院へ治療を受けに行ったことは当人の不運と云うより外はない。
―――が、それは後の話である。
だから磯貝院長が手術に失敗したことは恕すべしとしても、呻き苦しむ患者を放置して三日間も顧みなかった一事は、怠慢とも、不誠意とも、不親切とも云いようのないことで、患者の親たちが何も知らない農村の老夫婦でなかったならば、或は無事に納まらなかったであろうに、格別の事件にもならずに済んだのは磯貝院長の好運と云わなければならない。
同時に又、板倉がそう云ういかがわしい医師と知らずに、その医院へ治療を受けに行ったことは当人の不運と云うより外はない。
―――が、それは後の話である。