「………誰方かお一人、おいでになって下さいませんか」
妙子がそれを取次ぐために這入って行くと、病人の寝台の頭の方に嫂と妹が蹲踞まってい、脚の方に老人夫婦がいた。
そしてこの時も、お前が行くか私が行くかで年寄達は暫くモジモジしてから、二人連れ立って出かけて行ったが、十五分もすると戻って来て、父親はさも当惑したように溜息を吐いて坐り、母親は泣きながら、何かぶつぶつと父親の耳の端へ来て呟いていた。
「………誰方かお一人、おいでになって下さいませんか」
妙子がそれを取次ぐために這入って行くと、病人の寝台の頭の方に嫂と妹が蹲踞まってい、脚の方に老人夫婦がいた。
そしてこの時も、お前が行くか私が行くかで年寄達は暫くモジモジしてから、二人連れ立って出かけて行ったが、十五分もすると戻って来て、父親はさも当惑したように溜息を吐いて坐り、母親は泣きながら、何かぶつぶつと父親の耳の端へ来て呟いていた。