「さあ、どうなのか、それは分りませんけど、―――」
この鈴木病院の院長と云うのも、余り同業者間の評判の芳しくない医師であったことが後に知れたのであるが、いったい、土地の一流の外科医が二人迄も絶望と認めて手術を拒否した病人を、成功は保証しないと云う条件附きで引き受けるなどと云うことは、考えて見れば少し変のようで、そこらあたりにこの院長の芳しくない所以があったのかも知れない。
妙子はその晩はそんなことには気が付かなかったが、でも、広い建物のわりに、外に一人も入院患者がないらしくひっそり閑としていたので、余程はやらない病院らしいとは思ったのであった。