と、悲痛な声を洩らしたが、それでも磯貝医院以来呻き続けてばかりいた病人が、尋常な物云いをしたのはその時が始めてであった。
そればかりでなく、病人は、今の一語に徴すると、あの呻く怪物のように見えていた折にも、自分が現在どのような状態にあるのかをちゃんと意識しており、自分の傍でどんな相談が進行しているのかをも、よく知っていた訳なのであった。
何にしても妙子は、病人がもう「痛い痛い」と云わないようになり、前よりずっと楽になったらしいのを見て、ほっとした。
と、悲痛な声を洩らしたが、それでも磯貝医院以来呻き続けてばかりいた病人が、尋常な物云いをしたのはその時が始めてであった。
そればかりでなく、病人は、今の一語に徴すると、あの呻く怪物のように見えていた折にも、自分が現在どのような状態にあるのかをちゃんと意識しており、自分の傍でどんな相談が進行しているのかをも、よく知っていた訳なのであった。
何にしても妙子は、病人がもう「痛い痛い」と云わないようになり、前よりずっと楽になったらしいのを見て、ほっとした。