彼女はもう少し勤めたかったのであるが、一昨夜以来いつも啓坊が来ていて、隙があれば何か話しかけようとするけはいが見えるので、それを警戒したのであった。
貞之助は、告別式には自分達も行ってやらなければ悪いのだが、と云ったが、今日となっては、矢張二人の義妹たちの将来の利益と云うことが第一に考えられ、式場でいろいろな人と顔を合わすこと、―――殊に、あの新聞の事件以来の奥畑の一家と、そう云う場所で打つかることは面白くなく思われるので、結局自分は差控えることにして、幸子だけを、わざと時間外に弔問させた。
妙子も告別式には出たが、火葬場へは行かないでしまった。