雪子と悦子とは、「水戸ちゃん」がいなくなってから離れの方に二人で寝るのは淋しいので、夜はお春に泊りに来て貰っていたが、それも僅か二た晩で、ちょうど板倉の告別式の前日に床上げをし、母屋の方へ寝室を移した。
そして、離れはホルマリンで消毒されて、貞之助の書斎に戻った。
そう云えば、こんな工合にさまざまな事件が起りつつあった最中、と云うのは五月下旬のことであるが、或る日シベリヤ経由の一通の書面が蒔岡家に届いたことを、ついでに此処に書き添えて置こう。
雪子と悦子とは、「水戸ちゃん」がいなくなってから離れの方に二人で寝るのは淋しいので、夜はお春に泊りに来て貰っていたが、それも僅か二た晩で、ちょうど板倉の告別式の前日に床上げをし、母屋の方へ寝室を移した。
そして、離れはホルマリンで消毒されて、貞之助の書斎に戻った。
そう云えば、こんな工合にさまざまな事件が起りつつあった最中、と云うのは五月下旬のことであるが、或る日シベリヤ経由の一通の書面が蒔岡家に届いたことを、ついでに此処に書き添えて置こう。