其の頃の私の家は大きな酒問屋を営んで居て、家業は日に日に栄えて行くばかり、繁昌に繁昌を重ねて、いつも活気に充ち充ちて居る店先の様子は、子供心にもおぼろげながら一種の歓びと安心とを感じさせる程でした。
学校へ行く時も家に居る時も私は木綿の着物を着せられた事が有ませんでした。
その上私は学問が非常によく出来て、算術でも読書でも凡ての学課が私の頭には実に容易くすら/\と流れ込みました。
其の頃の私の家は大きな酒問屋を営んで居て、家業は日に日に栄えて行くばかり、繁昌に繁昌を重ねて、いつも活気に充ち充ちて居る店先の様子は、子供心にもおぼろげながら一種の歓びと安心とを感じさせる程でした。
学校へ行く時も家に居る時も私は木綿の着物を着せられた事が有ませんでした。
その上私は学問が非常によく出来て、算術でも読書でも凡ての学課が私の頭には実に容易くすら/\と流れ込みました。