其の外春は見晴らしのいゝ東方の高台の上に、夏は凉風の吹き入る曲浦の汀に、秋は谿間の紅葉を瞰下す幽邃な地域に、冬は暖かな山懐に、四季それ/″\の住居を定めて或はパルテノンの俤を模し、鳳凰堂の趣に傚い、或はアルハムブラの様式を学び、ヴァチカンの宮殿になぞらえ、山々谷々の丹雘粉壁は朝日に輝き、円楹甃瓦は夕陽に彩られ、「蜀山兀として阿房出づ」と云う古の詩の文句がさながら此処に現出されたかと訝しまれます。
そうして又、此れ等の建築庭園の到る所に無数の彫刻物が点々として安置されました。
彫刻の多くは此れも古来の傑作を模倣したもので、仏像女神像は云う迄もなく、人間から鳥獣の類までも網羅されました。