其れは四月の中旬の、霞の濃い空が紺青に晴れ渡った麗かな或る日の事でした。
私は朝早く東京を出て、其の日の午後二時ごろには湯本から四里の山路を登り詰め、彼の邸の楼門を遥に望む事の出来る高原の一端に着きました。
私は以前にも度々箱根へ遊びに来たので、此辺の地勢にも比較的明かるい積りでしたが、宏壮な彼の邸が蟠踞してから山容水態が悉く一変して了った事を感じました。
其れは四月の中旬の、霞の濃い空が紺青に晴れ渡った麗かな或る日の事でした。
私は朝早く東京を出て、其の日の午後二時ごろには湯本から四里の山路を登り詰め、彼の邸の楼門を遥に望む事の出来る高原の一端に着きました。
私は以前にも度々箱根へ遊びに来たので、此辺の地勢にも比較的明かるい積りでしたが、宏壮な彼の邸が蟠踞してから山容水態が悉く一変して了った事を感じました。