甘い、鋭い、芳しい、いろ/\の花の薫りが頻りに私の嗅覚を襲いました。
車輪の廻転するまゝに揺られ揺られる瑶珞のような花束を慕って二人の周囲には間断なく蝶々の群が舞い集い、藪鶯のけたゝましい声が折々私の耳朶を破ります。
路が入江の汀に近づいた時、われ/\は車を乗り捨てゝ今度は一艘の小舟に移り、鏡のような水面に櫂を操って対岸の絶壁の蔭へ漕いで行くのです。
甘い、鋭い、芳しい、いろ/\の花の薫りが頻りに私の嗅覚を襲いました。
車輪の廻転するまゝに揺られ揺られる瑶珞のような花束を慕って二人の周囲には間断なく蝶々の群が舞い集い、藪鶯のけたゝましい声が折々私の耳朶を破ります。
路が入江の汀に近づいた時、われ/\は車を乗り捨てゝ今度は一艘の小舟に移り、鏡のような水面に櫂を操って対岸の絶壁の蔭へ漕いで行くのです。