路が入江の汀に近づいた時、われ/\は車を乗り捨てゝ今度は一艘の小舟に移り、鏡のような水面に櫂を操って対岸の絶壁の蔭へ漕いで行くのです。
断崖の角をぐるりと廻ると、其処はひろびろとした江湾の中心で、沿岸に起伏する山野楼閣が一望のうちに眺められました。
入江に続く蘆の湖は漫々として遠く暮靄の羅衣に隠れ、四顧すれば、駒ヶ岳、冠ヶ岳、明神ヶ岳の山々は此の荘厳な天国の外廓を屏風の如く取り包んで居ます。
路が入江の汀に近づいた時、われ/\は車を乗り捨てゝ今度は一艘の小舟に移り、鏡のような水面に櫂を操って対岸の絶壁の蔭へ漕いで行くのです。
断崖の角をぐるりと廻ると、其処はひろびろとした江湾の中心で、沿岸に起伏する山野楼閣が一望のうちに眺められました。
入江に続く蘆の湖は漫々として遠く暮靄の羅衣に隠れ、四顧すれば、駒ヶ岳、冠ヶ岳、明神ヶ岳の山々は此の荘厳な天国の外廓を屏風の如く取り包んで居ます。