あの時分の、淡い、夢のような月日のことを考え出すと、お伽噺の世界にでも住んでいたようで、もう一度ああ云う罪のない二人になって見たいと、今でも私はそう思わずにはいられません。
「どうだね、ナオミちゃん、よく見えるかね?
と、活動小屋が満員で、空いた席がない時など、うしろの方に並んで立ちながら、私はよくそんな風に云ったものです。
あの時分の、淡い、夢のような月日のことを考え出すと、お伽噺の世界にでも住んでいたようで、もう一度ああ云う罪のない二人になって見たいと、今でも私はそう思わずにはいられません。
「どうだね、ナオミちゃん、よく見えるかね?
と、活動小屋が満員で、空いた席がない時など、うしろの方に並んで立ちながら、私はよくそんな風に云ったものです。