或る時などはベンチに待っている約束だったのが、急に雨が降り出したので、どうしているかと思いながら出かけて行くと、あの、池の側にある何様だかの小さい祠の軒下にしゃがんで、それでもちゃんと待っていたのには、ひどくいじらしい気がしたことがありました。
そう云う折の彼女の服装は、多分姉さんのお譲りらしい古ぼけた銘仙の衣類を着て、めりんす友禅の帯をしめて、髪も日本風の桃割れに結い、うすくお白粉を塗っていました。
そしていつでも、継ぎはあたっていましたけれど、小さな足にピッチリと篏まった、恰好のいい白足袋を穿いていました。