私たちは印度更紗の安物を見つけて来て、それをナオミが危ッかしい手つきで縫って窓かけに作り、芝口の西洋家具屋から古い籐椅子だのソオファだの、安楽椅子だの、テーブルだのを捜して来てアトリエに並べ、壁にはメリー・ピクフォードを始め、亜米利加の活動女優の写真を二つ三つ吊るしました。
そして私は寝道具なども、出来ることなら西洋流にしたいと思ったのですけれど、ベッドを二つも買うとなると入費が懸るばかりでなく、夜具布団なら田舎の家から送って貰える便宜があるので、とうとうそれはあきらめなければなりませんでした。
が、ナオミの為めに田舎から送ってよこしたのは、女中を寝かす夜具でしたから、お約束の唐草模様の、ゴワゴワした木綿の煎餅布団でした。