で、私たちは三橋にしようか、思い切って海浜ホテルへ泊ろうかなどと、そんな空想を描いていたに拘わらず、その家の前まで行って見ると、先ず門構えの厳めしいのに圧迫されて、長谷の通りを二度も三度も往ったり来たりした末に、とうとう土地では二流か三流の金波楼へ行くことになったのです。
宿には若い学生たちが大勢がやがや泊っていて、とても落ち着いてはいられないので、私たちは毎日浜でばかり暮らしました。
お転婆のナオミは海さえ見れば機嫌がよく、もう汽車の中でしょげたことは忘れてしまって、
で、私たちは三橋にしようか、思い切って海浜ホテルへ泊ろうかなどと、そんな空想を描いていたに拘わらず、その家の前まで行って見ると、先ず門構えの厳めしいのに圧迫されて、長谷の通りを二度も三度も往ったり来たりした末に、とうとう土地では二流か三流の金波楼へ行くことになったのです。
宿には若い学生たちが大勢がやがや泊っていて、とても落ち着いてはいられないので、私たちは毎日浜でばかり暮らしました。
お転婆のナオミは海さえ見れば機嫌がよく、もう汽車の中でしょげたことは忘れてしまって、