ふだんはほんとうに仲のいい二人、彼女が笑えば私も笑って、嘗て一度もいさかいをしたことがなく、こんな睦ましい男女はないと思われる二人、―――それが英語の時間になるときまってお互に重苦しい、息の詰まるような気持にさせられる。
日に一度ずつ私が怒らないことはなく、彼女が膨れないことはなく、ついさっきまであんなに機嫌のよかったものが、急に双方ともシャチコ張って、殆ど敵意をさえ含んだ眼つきで睨めッくらをする。
―――実際私はその時になると、彼女を偉くするためと云う最初の動機は忘れてしまって、あまりの腑がいなさにジリジリして、心から彼女が憎らしくなって来るのでした。