それでもしくしく泣いたりされればまだ可愛げがありますけれど、時には私がいかに厳しく叱りつけても涙一滴こぼさないで、小憎らしいほど空惚けたり、例の鋭い上眼を使って、まるで狙いをつけるように一直線に私を見据える。
―――もし実際に動物電気と云うものがあるなら、ナオミの眼にはきっと多量にそれが含まれているのだろうと、私はいつもそう感じました。
なぜならその眼は女のものとは思われない程、烱々として強く凄じく、おまけに一種底の知れない深い魅力を湛えているので、グッと一と息に睨められると、折々ぞっとするようなことがあったからです。