始めの日は午後五時に田町の駅でナオミが私を待ち合わせ、そこから連れだって出かけましたが、その楽器店は坂の中途にある、間口の狭いささやかな店でした。
中へ這入るとピアノだの、オルガンだの、蓄音器だの、いろいろな楽器が窮屈な場所に列んでいて、もう二階ではダンスが始まっているらしく、騒々しい足取りと蓄音器の音が聞えました。
ちょうど梯子段の上り口のところに、慶応の学生らしいのが五六人うじゃうじゃしていて、それがジロジロ私とナオミの様子を見るのが、あまり好い気持はしませんでしたが、
始めの日は午後五時に田町の駅でナオミが私を待ち合わせ、そこから連れだって出かけましたが、その楽器店は坂の中途にある、間口の狭いささやかな店でした。
中へ這入るとピアノだの、オルガンだの、蓄音器だの、いろいろな楽器が窮屈な場所に列んでいて、もう二階ではダンスが始まっているらしく、騒々しい足取りと蓄音器の音が聞えました。
ちょうど梯子段の上り口のところに、慶応の学生らしいのが五六人うじゃうじゃしていて、それがジロジロ私とナオミの様子を見るのが、あまり好い気持はしませんでしたが、