床は勿論椅子でもテーブルでも埃が溜っていないことはなく、あの折角の印度更紗の窓かけも最早や昔日の俤を止めず煤けてしまい、あんなに晴れやかな「小鳥の籠」であった筈のお伽噺の家の気分は、すっかり趣を変えてしまって、部屋へ這入るとそう云う場所に特有な、むうッと鼻を衝くような臭いがする。
私もこれには閉口して、
「さあさあ、僕が掃除をしてやるから、お前は庭へ出ておいで」
床は勿論椅子でもテーブルでも埃が溜っていないことはなく、あの折角の印度更紗の窓かけも最早や昔日の俤を止めず煤けてしまい、あんなに晴れやかな「小鳥の籠」であった筈のお伽噺の家の気分は、すっかり趣を変えてしまって、部屋へ這入るとそう云う場所に特有な、むうッと鼻を衝くような臭いがする。
私もこれには閉口して、
「さあさあ、僕が掃除をしてやるから、お前は庭へ出ておいで」