向うへ着いたのは七時半を過ぎていたので、ダンスは既に始まっていました。
騒々しいジャズ・バンドの音を聞きながら梯子段を上って行くと、食堂の椅子を取り払ったダンス・ホールの入口に、“Special Dance ― Admission : Ladies Free, Gentlemen \3.00”と記した貼紙があり、ボーイが一人番をしていて、会費を取ります。
勿論カフエエのことですから、ホールと云ってもそんなに立派なものではなく、見わたしたところ、踊っているのは十組ぐらいもあったでしょうが、もうそれだけの人数でも可なりガヤガヤ賑っていました。