そして夢中になればなるほど、音楽も何も聞えなくなって、足取りは滅茶苦茶になる、眼はちらちらする、動悸は激しくなる、吉村楽器店の二階で、蓄音器のレコードでやるのとはガラリと勝手が違ってしまって、この人波の大海の中へ漕ぎ出してみると、退こうにも進もうにも、さっぱり見当がつきません。
「譲治さん、何をブルブル顫えているのよ、シッカリしないじゃ駄目じゃないの!
と、そこへ持って来てナオミは始終耳元で叱言を云います。
そして夢中になればなるほど、音楽も何も聞えなくなって、足取りは滅茶苦茶になる、眼はちらちらする、動悸は激しくなる、吉村楽器店の二階で、蓄音器のレコードでやるのとはガラリと勝手が違ってしまって、この人波の大海の中へ漕ぎ出してみると、退こうにも進もうにも、さっぱり見当がつきません。
「譲治さん、何をブルブル顫えているのよ、シッカリしないじゃ駄目じゃないの!
と、そこへ持って来てナオミは始終耳元で叱言を云います。