前に三匹寝ているのも、これも男の海豹よ」
低く密雲の閉ざすように、頭の上に垂れ下がっている萌黄の蚊帳、………夜目にも黒く、長々と解いた髪の毛の中の白い顔、………しどけないガウンの、ところどころに露われている胸や、腕や、膨らッ脛や、………この恰好は、ナオミがいつもこれで私を誘惑するポーズの一つで、こう云う姿を見せられると私はあたかも餌を投げられた獣のようにさせられるのです。
私は明かに、ナオミが例のそそのかすような表情をして、意地の悪い眼で微笑しながら、じっと此方を見おろしているのを、うす暗い中で感じました。