何処かの別荘らしい家の、生垣の奥から蓄音器が聞えたり、たまに一人か二人ずつ、白地の浴衣の人影がそこらを徘徊していたり、いかにも避暑地へ来たらしい心持がするのでした。
木戸口のところで俥を帰して、私は庭から離れ座敷の縁側の方へ行きました。
私の靴の音を聞いてナオミが直ぐにその縁側の障子を明けて出るであろうと予期していたのに、障子の中は明りがかんかん燈っていながら、彼女の居そうなけはいはなく、ひっそりとしているのでした。
何処かの別荘らしい家の、生垣の奥から蓄音器が聞えたり、たまに一人か二人ずつ、白地の浴衣の人影がそこらを徘徊していたり、いかにも避暑地へ来たらしい心持がするのでした。
木戸口のところで俥を帰して、私は庭から離れ座敷の縁側の方へ行きました。
私の靴の音を聞いてナオミが直ぐにその縁側の障子を明けて出るであろうと予期していたのに、障子の中は明りがかんかん燈っていながら、彼女の居そうなけはいはなく、ひっそりとしているのでした。