その日はいつもより一汽車おくれて出て来たので、大森の家の前まで来たのはかれこれ十時頃でした。
私は正面のポーチを上り、合鍵で扉をあけ、アトリエを横ぎり、彼女の部屋を調べるために屋根裏へ昇って行きました。
そしてその部屋のドーアを開いて、一歩中へ蹈み込んだ瞬間、私は思わず「あっ」と云ったなり、二の句がつげずに立ち竦んでしまいました。
その日はいつもより一汽車おくれて出て来たので、大森の家の前まで来たのはかれこれ十時頃でした。
私は正面のポーチを上り、合鍵で扉をあけ、アトリエを横ぎり、彼女の部屋を調べるために屋根裏へ昇って行きました。
そしてその部屋のドーアを開いて、一歩中へ蹈み込んだ瞬間、私は思わず「あっ」と云ったなり、二の句がつげずに立ち竦んでしまいました。