と云って、先ずにょっきりとそのしなしなした二本の腕を真っ直ぐに伸ばし、小さな、紅い握り拳をぎゅッと固めて前へ突き出し、生あくびを噛み殺しながらやおら体を擡げたナオミは、私の顔をチラと偸んで、すぐ側方を向いてしまって、足の甲だの、脛のあたりだの、背筋の方だの、蚊に喰われた痕を頻りにぼりぼり掻き始めました。
寝過ぎたせいか、それともこっそり泣いたのであろうか、その眼は充血して、髪は化け物のように乱れて、両方の肩へ垂れていました。
「さ、着物を着換えろ、そんな風をしていないで」
と云って、先ずにょっきりとそのしなしなした二本の腕を真っ直ぐに伸ばし、小さな、紅い握り拳をぎゅッと固めて前へ突き出し、生あくびを噛み殺しながらやおら体を擡げたナオミは、私の顔をチラと偸んで、すぐ側方を向いてしまって、足の甲だの、脛のあたりだの、背筋の方だの、蚊に喰われた痕を頻りにぼりぼり掻き始めました。
寝過ぎたせいか、それともこっそり泣いたのであろうか、その眼は充血して、髪は化け物のように乱れて、両方の肩へ垂れていました。
「さ、着物を着換えろ、そんな風をしていないで」