その間が僅かに一時間と三十六分。
………人は屡〻、看護していた病人が最後の息を引き取る時とか、又は大地震に出っ会した時とかに、覚えず知らず時計を見る癖があるものですが、私がその時ふいと時計を出して見たのも大方それに似たような気持だったでしょう。
大正某年十一月某日午後零時三十六分、―――自分はこの日のこの時刻に、遂にナオミと別れてしまった。
その間が僅かに一時間と三十六分。
………人は屡〻、看護していた病人が最後の息を引き取る時とか、又は大地震に出っ会した時とかに、覚えず知らず時計を見る癖があるものですが、私がその時ふいと時計を出して見たのも大方それに似たような気持だったでしょう。
大正某年十一月某日午後零時三十六分、―――自分はこの日のこの時刻に、遂にナオミと別れてしまった。