それから私は、―――此処に書くのも耻かしい事の限りですが、―――二階へ行って、彼女の古着を引っ張り出してそれを何枚も背中に載せ、彼女の足袋を両手に篏めて、又その部屋を四つン這いになって歩きました。
この物語を最初から読んでおられる読者は、多分覚えておられるでしょうが、私は「ナオミの成長」と題する一冊の記念帖を持っていました。
それは私が彼女を風呂へ入れてやって、体を洗ってやっていた頃、彼女の四肢が日増しに発達する様を委しく記して置いたもので、つまり少女としてのナオミがだんだん大人になるところを、―――ただそればかりを専門のように書き止めて行った一種の日記帳でした。