私はその日記のところどころに、当時のナオミのいろいろな表情、ありとあらゆる姿態の変化を写真に撮って貼って置いたのを思い出し、せめて彼女を偲ぶよすがに、長い間埃にまみれて突っ込んであったその帳面を、本箱の底から引き摺り出して順々にページをはぐって見ました。
それらの写真は私以外の人間には絶対に見せるべきものではないので、自分で現像や焼き付けなどをしたのでしたが、大方水洗いが完全でなかったのでしょう。
今ではポツポツそばかすのような斑点が出来、物によってはすっかり時代がついてしまって、まるで古めかしい画像のように朦朧としたものもありましたけれど、そのために却って懐かしさは増すばかりで、もう十年も二十年もの昔のこと、………幼い頃の遠い夢をでも辿るような気がするのでした。