「では済みませんが、もしも此方へ参りましたら、たとい当人が何と云おうと、早速どうか僕の所へ知らして戴きたいんですが」
「ええ、そりゃあもう、あッしの方じゃ今更あの児をどうするッて気はねえんですから、来れば直ぐにも知らせますがね」
上り框へ腰をかけて、出された渋茶をすすりながら、私は暫く途方に暮れていましたけれど、妹が家出をしたと聞いても別に心配をするのでもない姉や兄貴が相手では、ここで衷情を訴えたところでどうにも仕様がありません。
「では済みませんが、もしも此方へ参りましたら、たとい当人が何と云おうと、早速どうか僕の所へ知らして戴きたいんですが」
「ええ、そりゃあもう、あッしの方じゃ今更あの児をどうするッて気はねえんですから、来れば直ぐにも知らせますがね」
上り框へ腰をかけて、出された渋茶をすすりながら、私は暫く途方に暮れていましたけれど、妹が家出をしたと聞いても別に心配をするのでもない姉や兄貴が相手では、ここで衷情を訴えたところでどうにも仕様がありません。