「そいつが奇妙なんですよ、いくらナオミさんが顔が広いッて、横浜なんかに泊る所はないだろうから、ああ云いながら多分大森へ帰ったんだろうと、そう熊谷が思っていると、明くる日の夕方電話が懸って、『エルドラドオで待っているから直ぐ来ないか』と云う訳なんです。
それで行って見ると、ナオミさんが目の覚めるような夜会服を着て、孔雀の羽根の扇を持って、頸飾りだの腕環だのをギラギラさせて、西洋人だのいろんな男に囲まれながら、盛んにはしゃいでいるんだそうです」
浜田の話を聞いているとあたかもビックリ箱のようで、「おやッ」と思うような事実がピョンピョン跳び出して来るのです。