まるで昨夜のナオミさんは、お伽噺のシンデレラと云う風でしたよ」
私は浜田にそう云われて、そのシンデレラのナオミの姿がどんなに美しかったかと思うと、はっと我知らず胸が躍って来るのでしたが、又その次の瞬間には、あまりな不行跡に呆れてしまって、浅ましいような、情ないような、口惜しいような、何とも云えないイヤな気持になるのでした。
熊谷ならばまだしものこと、性の知れない西洋人の所へなんぞ出かけて行って、ずるずるべったりに泊り込んで、着物を拵えて貰うなんて、それが昨日まで仮りにも亭主を持っていた女のすべき業だろうか?