みんなが慰みものにしている、口には出来ないヒドイ仇名が付いている、―――この恐ろしいスッパ抜きは却って気分をサバサバとさせ、私は瘧が取れたように一時に肩が軽くなって、涙さえ止まってしまいました。
二十三
「どうです河合さん、そう閉じ籠ってばかりいないで、気晴らしに散歩して見ませんか」と、浜田に元気をつけられて、「それではちょっと待って下さい」と、この二日間口も漱がず、髯も剃らずにいた私は、剃刀をあてて、顔を洗って、セイセイとした心持になり、浜田と一緒に戸外へ出たのはかれこれ二時半頃でした。
みんなが慰みものにしている、口には出来ないヒドイ仇名が付いている、―――この恐ろしいスッパ抜きは却って気分をサバサバとさせ、私は瘧が取れたように一時に肩が軽くなって、涙さえ止まってしまいました。
二十三
「どうです河合さん、そう閉じ籠ってばかりいないで、気晴らしに散歩して見ませんか」と、浜田に元気をつけられて、「それではちょっと待って下さい」と、この二日間口も漱がず、髯も剃らずにいた私は、剃刀をあてて、顔を洗って、セイセイとした心持になり、浜田と一緒に戸外へ出たのはかれこれ二時半頃でした。