それに第一、突然罷めてしまったんでは会社の方へも悪いだろうから」と云うのでした。
私は「実はそれだけではない、まだみんなに云わなかったが、女房の奴に逃げられてしまって、………」と、つい口もとまで出ましたけれど、大勢の前で耻かしくもあり、ごたごたしている最中なので、それは云わずにしまいました。
(ナオミが田舎へ顔を見せないことに就いては、病気だと云って取り繕って置いたのです)そして初七日の法要が済むと、後々の事は、私の代理人として財産を管理していてくれた叔父夫婦に頼み、とにかくみんなの云う言を聴いて一と先ず東京へ出て来ました。