さて、話はこれから三四年の後のことになります。
私たちは、あれから横浜へ引き移って、かねてナオミの見つけて置いた山手の洋館を借りましたけれども、だんだん贅沢が身に沁みるに従い、やがてその家も手狭だと云うので、間もなく本牧の、前に瑞西人の家族が住んでいた家を、家具ぐるみ買って、そこへ這入るようになりました。
あの大地震で山手の方は残らず焼けてしまいましたが、本牧は助かった所が多く、私の家も壁に亀裂が出来たぐらいで、殆どこれと云う損害もなしに済んだのは、全く何が仕合わせになるか分りません。
さて、話はこれから三四年の後のことになります。
私たちは、あれから横浜へ引き移って、かねてナオミの見つけて置いた山手の洋館を借りましたけれども、だんだん贅沢が身に沁みるに従い、やがてその家も手狭だと云うので、間もなく本牧の、前に瑞西人の家族が住んでいた家を、家具ぐるみ買って、そこへ這入るようになりました。
あの大地震で山手の方は残らず焼けてしまいましたが、本牧は助かった所が多く、私の家も壁に亀裂が出来たぐらいで、殆どこれと云う損害もなしに済んだのは、全く何が仕合わせになるか分りません。