洋服の時はキチンとした背廣か、黒の上衣に縞ズボンか、でなければモーニング、帽子は山高帽を最も多く被ったが、和服の時は結城紬か大嶋に無地の羽織を着、いつも角帯をキリリと締めた町人いでたちで、一見商店の若旦那と云う恰好をしていた。
そんなことが小山内君あたりの反感を買い、大家振っていやあがるなどと云われて憎まれたものだが、そうなると此方もいよ/\昔の仲間から遠ざかってしまった。
田舎臭いことが嫌いな私は、自然書生臭いことも嫌いだったので、よほど語るに足ると思う相手でない限り、めったに文学論や藝術論などを闘わすこともしなかった。