私が永井荷風氏を敬慕するのは、氏がこの孤立主義の一貫した実行者であって、氏ほど徹底的にこの主義を押し通している文人はないからである。
そんな次第で、最初私は交際嫌いにはなったけれども、無口になったとは思っていなかった。
人に接する機会が少いから、従って口を利くことも少いのであるが、しゃべらせればいくらでもしゃべれるのであり、性来の巧妙なる話術、流暢軽快なる江戸弁は、自分がその気になりさえすれば時に応じて発揮し得ると考えていた。
私が永井荷風氏を敬慕するのは、氏がこの孤立主義の一貫した実行者であって、氏ほど徹底的にこの主義を押し通している文人はないからである。
そんな次第で、最初私は交際嫌いにはなったけれども、無口になったとは思っていなかった。
人に接する機会が少いから、従って口を利くことも少いのであるが、しゃべらせればいくらでもしゃべれるのであり、性来の巧妙なる話術、流暢軽快なる江戸弁は、自分がその気になりさえすれば時に応じて発揮し得ると考えていた。