そして何より腹が立つのは、その日の牛飲馬食が祟ってそれから二三日食慾が減退し、折角家人の手料理で自分の好きなものを作って貰い、自宅でゆっくり夕餉を楽しもうと思っていたことが、ふいにさせられるのである。
老人の身には栄養過多の油っこい料理は有害で、そんなものよりはよく吟味した味噌醤油等を使って、自分の好みに適うように作られた家庭料理の方が嬉しいのであり、また実際に、昨今では普通の街の料理屋よりは自宅の材料の方が安心なので、揚げ物などは自分の家で交りけのない食用油を使ったものでないと、うっかり食べられもしないのである。
これを要するに私は飲み食いの会の方も、自分の好きな人たちだけの集まりで、好きな料理が出て、自分の仕事の邪魔にならない時にだけ、出席することにしたいと思うのではあるが、実はそれさえも決してそんなに気が進んではいないのである。