大阪人は此の點に於いて東京人ほどはにかみ屋でなく、人みしりをしない。
或る場合には却てフランクでいいこともあり、寧ろ美點であるのかも知れぬが、此れがやつぱり東京人にはづうづうしく見え、不愉快でない迄も「非常識な」と云ふ感じを與へる。
六甲の苦樂園にゐた時、或る朝ラジウム温泉の共同風呂へ這入りに行くと、私より先に這入つてゐた商人風の若い男が、やがて私と入れ代りに湯から上つて、戸外へ出て行つたかと思ふと、直ぐ又それとよく似た男が這入つて來て、着物を脱いで、素ツ裸になつて、私の漬つてゐる湯槽の中へ飛び込んだので、「オヤ、此れは今の男と違ふのか知らん?