そう思いながらも、私はいつも程恐がらないで、その街道をひたすら辿って行った。
私の小さな胸の中は、夜路の恐ろしさよりももっと辛い遣るせない悲しみのために一杯になって居た。
私の家が、あの賑かな日本橋の真中にあった私の家が、こう云う辺僻な片田舎へ引っ越さなければならなくなってしまったこと、昨日に変る急激な我が家の悲運、―――それが子供心にも私の胸に云いようのない悲しみをもたらして居たのであった。
そう思いながらも、私はいつも程恐がらないで、その街道をひたすら辿って行った。
私の小さな胸の中は、夜路の恐ろしさよりももっと辛い遣るせない悲しみのために一杯になって居た。
私の家が、あの賑かな日本橋の真中にあった私の家が、こう云う辺僻な片田舎へ引っ越さなければならなくなってしまったこと、昨日に変る急激な我が家の悲運、―――それが子供心にも私の胸に云いようのない悲しみをもたらして居たのであった。