谷崎潤一郎 『母を恋うる記』 けれども、薄気味が悪いと思えば思うほど、やっぱり見ずには居られなくなって、時々ちらりとその方を偸み視る。 ちらり、ちらり、と、何度見ても容易に正体は分らない。 ざあーッと云う松風の音の間から、カサカサと鳴る声がいよいよ繁く私の耳を脅かして居る。 谷崎潤一郎の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア